瑠璃色の、鮮やかでクリアな濃い青の地に、微かに青白の保護盤と細長瞳のアイ・モチーフが多数施された、ジャワ出土のモザイク貼り付大玉です。胎表面は、滑らかで輝きがあり風化は見られず、芯軸周りの艶のある白ガラスは幅2-3㍉ほどで、幾重にも巻かれた跡が見られます。
胎側面を、瑠璃色と、透明な瑠璃色にアイ保護盤の白が映る水色の2色が飾りますが、光を当てますと、気泡とアタリによる内部亀裂面が銀色に輝き、瑠璃色を引き立てます(14枚め以降、光)。ガラス素材に含まれた不純物による、黄や茶の小さな斑点が見られます。
ジャワ東部で制作され、ジャワの「ジャ」、東の意の「ティム」のジャティム・ビーズは、通常、芯軸周りのガラスには低い融解温度で安価に製造された粒感が、本品と違い残ります。
ジャワ島の中心は、8C-9C頃には中部で、ボロブドゥール仏教遺跡で有名な王朝が存続し、東部に928年ジャワのクディリ朝が建国され、ジャティムが制作と見なされましたが、近年では、600-900年頃に制作や、さらに古く東西貿易が広範に行われた300年頃から900年頃に制作とされます。
ジャティムは、安価なガラス融液を芯軸棒に付け(または、巻き付け)、引き製法で適度の長さの管玉とし核部分を作り、その表面にアイや斑点付き貴重なモザイク・ケーンを薄く切断して貼付け、低い温度で熱し核に溶着します。次に、やっとこなどの用具でビーズ・サイズに摘まみ切り出し、球体に成形します。切り出しにより、側面のモチーフは穿孔面に延び変形し、また、片側穿孔面のように核ガラスがモチーフに重ります。
モザイク・ケーンが、西アジアからの輸入とすれば、初期イスラム期(600年代)後にジャティムは制作とされ、また、ガラス片や加工前の原ガラスが西アジアから輸入し、ジャワでガラス片を混合させ白、黄、黒に着色し、これが無理な赤や青は遠方から輸入との報告に拠れば、モザイク・ケーンを5C-7Cに、世界でも珍しく現地で制作し、ジャティム玉を完成しました。地の青は、基本的に遠方から輸入したコバルト着色ガラスで、これに二酸化スズを加え白ガラスを現地製造の報告もあります。
本品は、5C-9C制作の瑠璃色と白が魅惑的なジャティム・ビーズです。10C以降に類例制作有無の検討は必要ですけれど。
サイズ 縦約18.5㍉ 幅約22㍉ 孔径約5㍉
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